異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。




「思いつきで何が悪いのよ?」

『このところ、ディアン帝国の間諜の動きが活発化しているのを知らないのか』


うっ……と言葉に詰まってしまった。


ディアン帝国。5年前にあった戦争の敵国で、セイレスティア王国の西側に位置してる。

帝国は海に面して広い国土を有してはいるものの、実際にはオルレイス山脈をはじめとして、高原や荒れ地なんかの痩せた土地が大半。砂漠すらある。

交易はオルレイス山脈があり、大陸の諸国とは殆ど隔絶しているという。


ならばと海路を使おうとすれば、生憎と大陸は南北縦に細長い。他国に行くにはかなりの航路を進み、更には魔のトライアングルや荒れた海を通る必要がある。


それゆえに、交易がまともに出来ない帝国が目につけた産業が兵器。鉄やアルミニウムなんかの鉱物資源だけは豊富にあるから、兵器産業と工業が主産業になったという。


それで発達してきた帝国は、人口がセイレスティアの六倍の2000万人近い。

人口が増えるほど問題なのが食料で、その為には豊かな土地が必要。だものでセイレスティア王国に目を付けたってわけ。