異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。




「なんであんたがここにいるのよっ!?」


あたしはとりあえず布団を体に巻き付けながら、目の前のキラキラを睨む。だってなぜかあたしまですっぽんぽんでしたからね。


『何でと言われても、ここは僕の部屋だからね』

「え?」


キラキラ王子さまはあたしにつけられた手形の痕を擦りつつ、窓際に歩み寄る……前に。


あたしがベッドのシーツを投げつけてやった。


「ちょ、変なモノ見せないでよ!」

『変なモノって……酷いな。それなりに自信はあるけど? そのうちユズも悦ぶようになるし』

「な、なんの話だ! このセクハラ魔王っ!!」


あたしが投げた枕を、キラキラ王子さまは余裕で避けて。そのままバルコニーに通じる窓を押し開いた。


『ほら、ユズ。いい天気だよ。海が朝陽に照り映え、とっても綺麗に見える』


キラキラ王子さまはアタマがおかしかったのか、と思った。

昨日地図を見てみたら、ここの土地から海まで少なくとも300kmは離れてた。

幾ら高い山から見たとしても、そんな遠くの海まで見えるはずないのに。