異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。






「……“バカップル”って子ども達が言ってましたけど、何のことですか?」


翌朝、周囲の生暖かい視線が痛かった……

あたしの腰を抱いて離さないティオンはこの上ない上機嫌だし、あたしは寝不足だし。何があったか勝手に理解されてると思うと、穴を掘って埋まりたくなりますよ。


しかも体が痛い……


あたしが腰を庇いながら変な歩き方をしているせいか、なぜか村長の奥様が同情の目を向けてきた。


「ティオンバルト殿下はお若いですから、昨夜はかなり激しかったでしょう? これを使うと歩くのが楽になりますよ」

「ありがとう……」


ああ、喉が痛いから声が出しにくい。コルセットみたいなものを渡されたけど……なんなのでしょう?


キキはキキでグッ!と親指を立てそうな勢いでウインクしてきたし。


「こりゃあお世継ぎの誕生もそう遠くないですね」

「そうですね。頑張りたいと思いますよ」

「ハハハ、これは頼もしい。うちは6人の子どもがいますが、やはり家族は賑やかな方が良いですよ」

「もちろん。私は兄弟が少なかったので、ユズには頑張ってもらいます。まぁ10人くらいが最低ラインですね」


ちょっ、ティオンと男爵! 何をほのぼのとえげつない会話してるんですか!!


あたしに10人産めって……あと1人でサッカーチームできちゃうんですが!


「ユズ、みんなも望んでるし。さっそく今晩から頑張ろうか」


ティオンの綺麗な笑みが……恐ろしい悪魔の笑みに見えるのは気のせいでしょうかね?


「誰が頑張るかああっ!」


こうして……あたしとティオンの新しい戦いが始まった……かもしれない?




(たぶん、甘いひととき。~終わり)