異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。







すこ~ん!!


見事な音が響いて、ティオンが撃沈した。


『……全く、どこまで節操というものがないのですか、あなたは』


ライベルトが剣の鞘でぶん殴ってくれたらしく、危機一髪で救われた。


ほっ……と安心して急いで服を直そうとしたけど。


パチッ、とライベルトと目が合った。


あたしは固まったけど。


ライベルトは……


見る間に、顔が赤くなって……って? ええっ!?


彼は慌てふためきながらあたしに背を向けると、カーテンを引っ張って視界を遮ってくれた。


『ど、どうぞゆっくり直してください』

「あ、ありがとう」


ライベルトの、こんな不器用な優しさが嬉しかった。


何とか自分でドレスの乱れを直すと、カーテンの隙間から向こうを覗き見てみた。


覗こうとするティオンを押さえつけるライベルト。


……どう見たって仕方なく付き合ってる感じじゃない。


あたしはカーテン越しに、ライベルトに問いかけた。