――えっ?
「……ティオン……何を言って?」
あたしは思わず目を瞬く。ティオンがなぜ、そんな事を言い出すのか解らない。
『誤魔化さなくていいよ。ユズ、君が僕を男として見てない……って事は最初から判ってた。好きなやつと幸せになれればいいと……。
新年祭から半年後、父上は僕に譲位される。僕は即位するけど、形だけだ。
ライベルトをどうにか説得して復籍し、数年後にはやつに王位を譲る。救国の英雄ならば……皆も納得するだろう。
その時……后になるのは君だよ、ユズ』
……何を……言ってるの、この人は。
なんで……。
こんなふうに、何もかも諦めたように。寂しくて空虚な瞳を。
……なんで?
どうして!?
どうしてそんな綺麗な瞳を、空っぽにするの?
『戦で国を救った英雄……慈愛の力で国を飢餓から救った伝承の姫。とてもお似合いで、国民の人気も支持も相当なものだろうね。……僕はお呼びじゃないのさ。生まれてからずっと……ね』



