琴音がアヤさんに頼み込んだ結果、オレは琴音のマンションに同居することになった。

マネージャー兼家政婦兼、琴音が女を連れ込まないように見張るためだ。

水原親子の思惑にまんまと乗せられる形になったが、モーニングコールの手間も送り迎えにかかるガソリン代も節約できる。

オレがお世話するんだから、立派な役者さんになってもらわないと困る。
そう伝えたら、珍しく琴音が笑った。

「倖太を養えるように頑張る」

そうか、養ってくれるのか。

「琴音が主役やれるように頑張ろうな」
「うん」