手紙には僕の名前が書かれていた。
「勇誠……ちょっと待ってて。」
母さんが小さく頷いて、引き出しから
小さなメモを取って、持ってきた。
「これが鈴奈さんの電話番号よ。」
母さんはにっこり笑って僕の方を見ていた。
僕は母さんに『ありがとう』と言って笑った。
そして、急いで黒電話に
手を伸ばしてダイヤルを回した。
ーーープルルル……
電話が繋がった。
どうか電話にでてください……鈴奈さん……。
貴方に会わなければならないんです…。
ーーープツンっ…
『はい…もしもし……?』
受話器から聞こえた柔らかい声。
この人は………
「………鈴奈さんですか?」
『えぇ…。貴方は……?』
「あっ…えと…僕は終平兄さんの弟の勇誠(ユウセイ)と言います。」
『えっ?終平の弟さん?通夏さんの……?』
「はい。どうしても鈴奈さんに渡したい物があって…。」
『私に…?』
「はい。鈴奈さんにです!兄とよく来ていた
ひまわり畑に来ていただけますか……?」
『………っ!分かりました!すぐ向かいます!』
ーーープーップーッ………
電話が切れて、急に喜びに変わった。


