「私が手を離したから何十年も先に飛ばされて…1人ぼっちでこんなに大きくなって…」





終平……いや、蛍くん。




ごめん…………謝っても謝りきれないよ………。





「僕…村に戻らないと。一緒に帰ろう。鈴奈さん。」






終平は私に手を差し出した。





どうして…?




ねぇ…何で?





「どうしても帰りたいの?」





あそこにいれば



いつ終平が死ぬか分からないよ…






「鈴奈さん、ごめんなさい。僕を必要としてくれる人達がいるから…僕を拾って育ててくれた通夏さんがいるから……」






終平は真剣な顔をして私の方を向いた。