私は慌てて終平の手を引いて、
川の橋の下に隠れた。
『えっ!本当ですか!』
『えぇ。おめでとうだけでも言ってあげてね。』
『あのっ…蛍くんの病室って…?』
『行ってくれるの!××病室の10階です。
あの子、鈴奈ちゃんの事大好きだから喜ぶわ…』
そう言って、この世界で成り立つ私と、蛍くんの
お母さんが話しながらここを通りすぎていく。
終平は目を見開いて、
「…………鈴奈…さん……」
と言って私の方を向いた。
ごめんね。私には説明できないよ。
私が何でもう1人いたのかって
言いたいんだよね?
でもごめんね……これは決まったルールなの。
私は『鈴ちゃん』なんだ。
だから答えられないよ…。
「ちょっとまって!」
私は橋の下から顔を出して、回りを見渡した。
誰もいない!動くなら今だけだ!
「行くよっ!終平!」
私は終平の手を握りしめて、
私の家に向かって引いていった。


