「蛍くーんっ!」
「いたら返事してーっ!」
私と終平は蛍くんを探し回っていた。
分からないよ…どこにいるのか分からないよ……
早く探し出さなきゃって焦れば焦るほど、
この世界は私を拒絶するように感じる…。
ひまわり畑の近くを通った人々は、
「アイツら、なにやってんだよ。」
「はははっ…おかしなあいびきだね。」
何て言って私達をバカにする。
私はそんなこと気にせずひまわり畑の間を
いったり来たりして駆け回った。
すると、終平が突然、私の方を向いて
「あの……鈴奈さん…。」
と声をかけてきた。
「うん…?」
私は思わず終平の方を振り返った。
すると終平は少し真剣な顔をして、
「鈴奈さんはどこから来たんですか…?」
と私の瞳をじっと見つめていた。
私がどこから来たのか…?
そんなの決まってる………
「………………誰も知らない遠いところ…。」
この時代を生きる人々が夢に描く様な世界。