ーーーカランッ…
鞄に付けた鈴の音がする。
優しい風に包まれて私は今日も微笑む。
「あっ!鈴奈じゃんっ!」
学校の帰り道、友達の瑠美が私に手を振る。
私もクスッと笑って手を振り返した。
すると、瑠美は私に近づいてきて隣に並んだ。
「鈴の音したから、そうかなって思ったんだけどやっぱり鈴奈だったんだ!何してるの?」
私は鈴を少し見て、又前を向きなおした。
「蛍くんが退院だから、これから行くとこ。
この鈴も使わないからあげようと思って…」
古くなって鈍い音をたてる鈴。
生まれた頃からずっと一緒だった。