「ただいまーっ!」
終平は家のドアを開けて、
勢いよく中に入っていった。
「お…おじゃまします…」
私も靴を揃えて、後についていった。
狭くて…テレビも無くて…
携帯も使えない場所……
やっぱりここは私の住んでた場所とは違う。
「終平、帰ったの。ちょっと手伝ってくれない?」
終平のお母さんらしき人が野菜を切って、
小さな赤ん坊を背負っていた。
「通夏(トオカ)さん、あの……」
終平は帽子を外して、私を前に出した。
「あら…?その子は?」
私は思わずハッとして通夏さんと呼ばれた
女の人の方を向いた。
「鈴奈といいます。」
私は思わずうつ向いた。
だけど、終平は真剣な顔をして、
「通夏さん、鈴奈さんは家を失って…。倒れてるところを見つけたんです。僕に出来ることは全てするのでどうか鈴奈さんを………」
と言って頭を下げた。
私も思わず隣で頭を下げた。
すると、通夏さんはクスッと笑って
「全く…終平は本当に優しい子ね。」
と終平の頭を撫でた。


