会場に着いたのは5時50分。
そこにはすでにたくさんの椅子。
たくさんの花。
たくさんの名前を書くための紙が用意されていた。
そこにさっきまで普通に
横になっていたおばぁちゃんは
棺桶にいれられていた。
棺桶は一番前の真ん中に置かれた。

うちらは2階の控え室で休んでいた。
ちょっとしてからおかぁさんのおにぃちゃんが来た。
うちはちょっとでも悲しい顔を見せないと
おじぃちゃんと遊んでいた。

7時に近くになるにつれて人が集まってきた。
うちとやすかちゃんは
受付で座って手伝っていた。
そこへ生まれた時からの
付き合いの森さんのおばぁちゃんを見るなり
うちは「思ったより元気でしょ?」
と笑って見せた。本当は泣きたかった。
でも泣けない。
泣いちゃいけない。
その言葉を言ったらおばちゃんは抱きしめてくれた。
本当はその時ちょっぴり泣いてたんだ。
内緒だけど。