なぜかホッとした。

蒼のこと、狙ってるわけでもないのに。

でも、蒼も一緒で良かった。

「だって、蒼もまだなんだと思って。
安心した。
もうヤってる子とか周りにいるし。
でも、蒼もまだなら焦んなくてもいーや。」

「そーかよ。」

「うん。
早く弓道場行こ?」

「おう。」



「「お願いしまーす。」」

あれ?

開いてる。

「はよ。
今日は早いんだな。」

「あおいー。
おはよー。」

同じ弓道部で、3年の
久世桜汰(くぜ おうた)と
佐伯六花(さえき りっか)だ。

共に、同じクラス。

「おはよ。
今日は、朝練したかったし。
蒼、的つけてきてー。」

「へいへい。
桜汰行くぞ。」

「オレもかよ‥。
蒼、オレの分も!」

「無理。
行くぞ。」

蒼は、桜汰を掴んでズルズルと引きずっていった。

「「いってらー。」」

アタシと六花は緩く送り出した。