うー、なんで蒼もベッドにいるの?

蒼のベッドだから。

ヤバい、顔熱い。

早く、収まれ!

と、パタパタと手で仰いだ。

朝練したいから、早く準備しよ!



「蒼、準備できた?」

今度は、玄関からあがる。

「あら、葵ちゃん♪
いつも、ごめんね。
うちのバカ息子が。」

「佐保(さほ)さん!
おはようございます。」

佐保さんは、蒼のお母さんだ。

かわいいし、若く見えるし、とても40代には見えない。

よく見ると、蒼って佐保さん似だよなー。

アイツ、女顔だし。笑

「蒼、早く!
葵ちゃん来てるんだから!
10秒以内に来ないと、恥ずかしい秘密バラすわよー。
10、9‥」

‥きっと、蒼の性格は佐保さん譲りだと思う。

苦笑いをしていると、バタバタと奥から蒼が走ってきた。

「てめぇ、ババァ!
なに喋る気だよ!」

ピキッ、隣りを見ると、佐保さんの額に青筋が立っていた‥。

「あら、蒼ちゃん?
誰に向かって、口聞いてるのかしら?」

と言いながら、頬をつねっている。