「もし颯太くんじゃなくても、祥太がーー」
「俺は違う」
祥太は俺の言葉にかぶせて言ってきた
まるで、言ってはいけないことのように…
「俺は花にとって、お兄ちゃんだから」
「あー、なんかわかる」
うんうん、想像できる
「俺はちゃんと花と向き合った。
ま、その結果がこれだけどな〜」
「……」
向き合えってか…
俺ってここまで人に背中押してもらわなきゃ何もできないような奴だったっけ?
情けねー…
「あ、貸してたCD返せよ。じゃ、花のこと慰めるためにハグでもしてくるから〜」
「は!?お兄ちゃんの分際でそんなことしてんじゃねーよ!」
「や、寧ろお兄ちゃんの特権だろ。後で日にち連絡しとく」
「このシスコン野郎」
最後の言葉を言う前には
プープーという機械音が耳に残っていた
……そうか、
祥太は伝えたのか
やっぱり花ちゃんは颯太くんが…
よし、俺も…これで最後にしよう
これでもう本当に最後だから

