ノリのかわいい笑顔が見れてほっとした私はいっぱい聞きだした。


ノリは近くの大学の1年生。


優と仁とは高校が同じだったらしい。


バスケが好きで、今日のメンバーはそのバスケサークルみたいなのの集まりだった。




ただ、一番聞きたいことが聞けんかった。






「彼女はおる?」




優にはあんなに簡単に聞けたのに・・・・




ドキドキするのは酔っ払ってるから?


手、つないでるから?





あかん・・・・





私、ノリのこと、好きかも・・・・・







駅に着き、改札を出る。



「自転車?」


駐輪所についてノリが言う。


「そう、大学合格祝いにおにーちゃんが買ってくれてん!」


私の自転車は赤い折りたたみ。


めっちゃ遅いけど、お気に入り。


「よし、二人乗り。」


ノリはサドルに跨る。


「安全運転してよ!ベンツやねんから!」


「はは、なんだよソレ」


「このチャリはベンツなのっ、チャリのキャラ設定大事やし!」


「変なの。」


クスクス笑いながら


「ほら、早く乗れよ!」


「はいはーい!」


私は荷台に立つ。


「え?!立ち乗り?!」


「あったり前やん!レッツゴー!」


後ろからノリの首に抱きつく。


おっきい背中。


ピタってくっついて、ドキドキ聞こえそうっ


「しっかりつかまってろよっ」


そう言って、ノリは自転車をこぎ出した。