どしゃ降りの中、私は歩いていた。

苦しくて、悲しくて。

足の震えが止まらないまま、行くあてもなくただ歩いた。


温もりがほしい。


子犬でもいい。
子猫でもいい。


生き物の温もりが、ほしい。


私のこと、必要としてくれる何かがほしい。


私のこと、愛してくれる人がほしい。



そんな人、いるわけない。
分かっているんだ。

だれでもいいわけじゃない。
それも、分かっている。



そうでなければ、無意識のうちに学校を目指すはずがないのだから。


何度突き放されても、どうしても私は、あの人に助けを求めるしかなくて。


ずぶ濡れのまま、その場所を目指していた――