バスを降りて、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
左手の小指に、そっと触れる。
あの日からずっと嵌めっぱなしのピンキーリング。
「天野先生……」
この丘の上なら、どんなに大声で叫んだって、誰にも聞こえないね。
先生のことを想うこと、大空だけは許してくれる。
誰も許してくれなくても、この青い空だけは。
「先生!!!」
先生、今もどこかで生きていて。
呼吸を、やめないで。
この願いが届くまで、その目を閉じないで―――
自分の声が、こだまして、そして消えた。
返事をしてくれる人がそばにいるときに、言えばよかったんだ。
止められても、それで終わってしまうとしても。
言えばよかったんだ。
先生が好きだと。
先生だけが、好きだってことを。
「好きだよ、先生。」
小さな小さな声でつぶやいた。
零れる涙を、風がすくっていく。
私は成されるまま、風に涙を預けた。
行こう。
そして、私は一歩を踏み出したんだ。
思い出したくないあの日。
あの日から先生と私は、離れていった。
そう。
先生とのたった一度のデートをした場所。
先生の友達がオーナーを務める、あのレストランに―――
左手の小指に、そっと触れる。
あの日からずっと嵌めっぱなしのピンキーリング。
「天野先生……」
この丘の上なら、どんなに大声で叫んだって、誰にも聞こえないね。
先生のことを想うこと、大空だけは許してくれる。
誰も許してくれなくても、この青い空だけは。
「先生!!!」
先生、今もどこかで生きていて。
呼吸を、やめないで。
この願いが届くまで、その目を閉じないで―――
自分の声が、こだまして、そして消えた。
返事をしてくれる人がそばにいるときに、言えばよかったんだ。
止められても、それで終わってしまうとしても。
言えばよかったんだ。
先生が好きだと。
先生だけが、好きだってことを。
「好きだよ、先生。」
小さな小さな声でつぶやいた。
零れる涙を、風がすくっていく。
私は成されるまま、風に涙を預けた。
行こう。
そして、私は一歩を踏み出したんだ。
思い出したくないあの日。
あの日から先生と私は、離れていった。
そう。
先生とのたった一度のデートをした場所。
先生の友達がオーナーを務める、あのレストランに―――

