そう言い残して、冴城君は私達の横を通り抜けて足早に立ち去ってしまった。


「なんか…冴城君、不機嫌だったわね。彼いっつも明るいのに……何かあったのかしら」


冴城君の後ろ姿を一緒に見つめながら、睦杜ちゃんがポツリと呟く。


一方の私も、私がこの中学校に来てから殆どずっと楽しそうだった冴城君の変化に、戸惑いを隠せなかった。


「私、岩本君とふざけ混じりのケンカしてる時以外で冴城君があんなに不機嫌なの見たの、初めてだ……」


てゆーか…それ以上にご機嫌ななめに見えた気もする。


本当に…


一体どうしたんだろう?