「大丈夫?祈織ちゃん」


手を切ってしまったことに気づいてくれた楓君が私のそばにきた。


「大丈夫だよ。そんなに傷は深くないから!」


「一応見せて」


そお言う楓君に傷口を見せる。


彼は私の手を取って自分の方に近づけた。


何をするのかと考えていたら……


──ちゅっ


私の手にキスをしたのだ。