心底、不思議。~不機嫌カナタとゴキゲンみーちゃん~

お兄ちゃんは、どうも、ミユおねえちゃんの前でかっこつけるきらいがありました。

だから、ミユおねえちゃんにキスの一つでも迫ることができずにいたのでしょう。


断られるのがこわいとか、自分の気持ちをさらけだすのが恥ずかしいとか。


そういう無駄なかっこつけや気取りをとっぱらえば、素直になれるに違いない。


私はそう考えて、ミユおねえちゃんに、遊園地の割引券を渡しました。


本当はものすごく怖がりでビビリなお兄ちゃんは、絶叫系アトラクションも、お化け屋敷も、高いところも、全部こわいのです。


そういうものを怖がる情けない姿をミユおねえちゃんに見せてしまえば、きっと………。



さて、私の作戦は、上手くいったのでしょうか?


どきどき、はらはら、わくわくしながら、私は自分の部屋の窓枠に頬杖をついて、二人が帰ってくるのを待っているのです。