手をつないで、人混みのなかを、並んでゆっくりと歩いていく。






あたしは、カナタとこうして歩くのが大好きだ。




物心ついたころから、いっつもカナタと、手をつないで歩いてきたから。





カナタの手は、いつもひんやりと冷たくて、ふんわりと優しい。




いつの間にか、カナタの手はあたしよりもずいぶん大きくなっていて、あたしの手はすっぽりと包みこまれてしまう。




それが、なんだか、心地よくて。






あたしは、思わず、ふふっと笑った。




それに気づいたのか、カナタがこちらを見下ろしてくる。







「なに笑ってるの、みーちゃん」





「んーん、べつにー」





「そう」






カナタはそっけなく答えて、それでも手にぎゅっと力を込めてきた。