「気のせいじゃないよ、やっぱり赤いよ」






「そ、そうかな~?」






「そうだよ、真っ赤だよ。ねぇ、なんで?」








そりゃあ、情けない姿をあたしに見られたのが恥ずかしくて死にたい、なんて言われたら。



そんなにあたしのこと好きなんだー、なんて思っちゃうもん。







そんなこと考えているうちに、カナタがどんどん顔を近づけてくる。




長い睫毛の数が数えられそうなくらい、近くに。







「ちっ、近いよバカカナタ!」







あたしはカナタの顔を両手でつかんで、ぐっと遠ざけた。






カナタがふふん、と不敵に笑う。