「てゆーかお兄ちゃん、相変わらず国宝級のガリ勉っぷりだね。


そして、天然記念物ばりの頭の固さと融通のきかなさ!!



そんなんで本当に社会で生きていけると思ってんの?


この日本社会では、空気を読むっているスキルが最も求められてるんだからね?


周りに合わせる能力がなかったら、いくら知識がいっぱい頭に詰まってたって、社会では必要とされないんだって。



てゆーかさ、そんなに勉強と読書ばっかりしてたら、そのうち美遊ねえちゃんにも愛想つかされちゃうよ」





聡子は恐るべき滑舌の良さを発揮して僕を罵倒している。



ほんと、一体だれに似たんだか。




これで外面だけはにこにことしているもんだから、近所の人々はこの悪魔の内面にまったく気がついていないのだ。



とくにみーちゃんなんて素直にころりと騙されていて、聡子のことをよく「天使」だなんて言っている。



こんな薄っぺらい猫かぶりに騙されるなんて、やっぱりみーちゃんはお馬鹿だ。