「ただいまぁ〜………」




お父さんたちはまだ起きていない時間だったから、小さな声で言った。




すると予想外にも、リビングのドアがすぐに開いた。





顔を出したのは、お父さん、お母さん、お兄ちゃん。





つまり、我が家のメンバー勢ぞろい。





朝が苦手なうちの家族にしては珍しい。



しかも驚いたことに、すでに着替えまで済ませてる。







「………どーしたの、みんな。


こんな時間に起きてるなんて」







あたしが目を丸くして訊くと、お父さんたちはもっと目を丸くした。






そして、三人で顔を見合わせて、言い合いを始める。







「ほらっ、やっぱり!!


俺の言った通りだろ!?」





「えぇっ、まさか!


いくら美遊でも、そこまで馬鹿じゃないはずよ!?」






「いや、馬鹿なんだって!


俺たちの予想を上回るくらいの!!」





「………いやぁ、それにしても、こんな大事なこと忘れるかぁ?」






「そうよ、だって前々から言ってあったのに………」






「いや、美遊のことだから、どうせ話半分で聞き流してたんだよ!」






「そうなのかしら………」