「御影くん?」 「……ん、やぁー……」 か、かわ。 思わず、言いそうになって私はあわてて口を閉じる。 聞こえたんじゃないかと、冷や汗をかきながら御影くんのほうを見る。 絶対、可愛いだなんて言ったら、頭に角をはやすぐらい怒るに違いない。 「御影くん起きて、もう部屋で寝なよ」 「……め、んどい……」 面倒くさいって。 御影くんって案外アバウトな人なのかな。