「……なんでだろ」 うーん、不思議に思って御影くんの顔を凝視してみる。 寝ているから? あ、それにちょっと女の子っぽい顔立ちだからかな。 「……んん……」 いきなり、御影くんがもぞっと動いて私もびくっと震えてしまった。 お、起こさないと。 私は勇気を振り絞って、御影くんのシャツをつまんでぴっとひっぱった。 「御影くん、起きて。風邪ひいちゃうから」 「……ん、……や」 いやいや、と駄々をこねる子供のように、 むっと口を結んで、首を振る。 ……な。