「───翔太、ごはんできたから運ぶの手伝ってー」
「はーいぃ」
私が呼びかけると、テレビアニメを見終えた翔太が台所までやってくる。
食器棚から、プラスチックのお皿だけ翔太に渡して、運んでもらう。
ちょうど片付けが終わったらしい、お母さんと御影くんがドアを開けた。
「───おーご飯ご飯お腹すいたわー」
「今よそるから、お母さんテーブル拭いて」
「はーい」
テーブル拭きをお母さんに渡して、私はよそった肉じゃがと焼き魚をお皿に添えて、
「御影くん、これテーブルに持ってってくれるー?」
ドアに立ったまま、動かなかった御影くんは、
「あ、……ん」
ワンテンポ遅れて、私の言葉に返事をしておかずをテーブルに運び始めた。



