「あ、顔が赤くなった」 「なっ」 思わず両手で耳を隠すと…………なんだか、上のほうから笑い声が聞こえる。 な、何? 顔を上げると───御影君が、おかしそうにくすくす笑いながら、顔を伏せていた。 「くっあははは、簡単に引っかかりすぎ。ばーか」 「い、今の……嘘?」 「うん」 「な、ぅ……意地悪だ御影くん」 「こんな簡単に引っかかる白井が、鈍感なんじゃない?」 「……別に引っかかってないもん」 「え?なに聞こえない」 御影くんはおかしそうに私を見上げながら、おかしそうにそう口にする。