震えてしまう。
怖くて、恥ずかしくて、どうしようもなく私は俯いてしまう。
「いじけてるの?」
「べっ……別にそんなんじゃありません、というか離れてください近いです」
「はいはい」
私が抗議しようと、何か口にしようとする前に───御影くんはあっさりと私から離れる。
そして、とても自然な動作で私の手から段ボールを取り上げた。
「本当に今更だけど……いいわけ」
「……何がですか」
「───男、苦手なのに居候して」
何を、今更と言おうと口を開いて───見上げた御影くんの顔が、
冗談で私をからかっているように、見えなかった。



