その夜、結局私は折れるほかなく、 彼改め、御影くんは───私の隣にある空き部屋を使うこととなった。 お母さん、私、御影くん総出で運びきれなかった荷物を、 玄関から2階に運ぶことになった。 「皐月くん、これはどこに運ぶのー?」 「あ、はいえっとその辺において頂ければ。茜さん」 「うふふー茜さんだなんて嬉しいわーぜひぜひもっと呼んでね、皐月くん」 上のほうから、お母さんと御影くんの会話を聞きながら、 荷物をまとめて、 「よいしょっ、と」 と段ボールごと持ち上げようとした、そのとき。