こぼれた涙が抑えきれなくて、私の涙は、ほろほろと土の地面に沁みをつけていく。


好きだった。

不器用な、お父さんが好きだった。

寡黙だけれど優しい、お父さんが好きだった。

人を思ってくれる、お父さんが、好きだった。


好きだった───大好きだった。


ずっと、ずっと言いたかったのに。


最後の最後まで、私は言えなくて。

そんな素直になれなかった私を───お父さんは、ずっと待っていてくれたんだ。



「……あ、りがとう……っありが、とう……お父さんっ……!!


 大好き、だい、すきっだよ……ごめん、ごめんね───っ!」

酷いことを言って、ごめんね。

追いかけられなくて、ごめんね。

私を育ててくれて、ありがとう。

私を信じていてくれて、ありがとう。



ずっと───大好きだよ。



私はお父さんの顔を思い浮かべながら、朝焼けを眺めながらゆらゆら揺れる星々に。お父さんに。