「ぁっ……、なんで……っ」 「これ持ってたのは、お前のお父さんだったんだよ」 「……っっ」 お父さんが、これを……? 皐月くんが私の手のひらに、そっとそれを乗せてくれる。 重みなんて、ないはずなのに。 手に乗せられた、瞬間───ぐっといろんな思いがこみ上げてきて───私は、それを両手で抱き留める。 ここ、に、あった。 ここに───私の〝約束〟が。皐月くんの見つけてくれた───大切な、私の〝約束〟 「……この花の花言葉は ───〝約束を守る〟なんだよ」 「や、くそく……」