やばい、可愛すぎ。


***

お母さんとのやりとりもままならないまま───学園祭初日が、やってきた。


軽やかな吹奏楽部の演奏と、大きな花火の音で盛大に開催される───学園祭。


初日は、実行委員として見回り班とステージセッティングを任されているので、

クラスの仕事は、水瀬くんに任せて、私は校内を回っていた。



賑やかに学園祭を楽しむ人たちが、幸せそうで───私は、苦しいけれど目を細めて微笑む。




あの時。

皐月くんは、私のなくしたネックレスと探してくれるといったけれど……。


嬉しかった、けれどそれ以上に、戸惑ってすらいた。


だって、何年も前に無くしたまま───今もなお帰ってこない、ネックレスが返ってくる?


そんなの、ありえない。


心の中ではそう思っていつつも、期待してしまう自分が情けなくて。



そう思って、目を伏せた、そのとき。



「───ゆり」