「……意味分かんない」
俺は、そういって机に伏せた。
手に持っているのは、分厚く丁寧に使われていただろう、と見受けられる黒い手帳。
それは、あの日、ゆりを連れて帰り、
茜さんと話して事情を知った後に───2階の使われていないと思っていた、ゆりの父親の書斎から拝借したもの。
手帳の中には、確かに数個のプレゼントが書いてあるけれど、最後が分からない。
『秋の野を』
『我がわけ来れば』と書かれた文字を最後に途切れている。
たぶん、最後のプレゼントが一番重要なんだろうけれど───思いつかない。
もうすぐ学園祭も近いって言うのに。
早く見つけないと───間に合わない。



