「ほかに何かありますか?」
俺が、そう聞くと茜さんはそうねえと、腕を組んだ後、あ、と思いついたように目を見開いた。
「そういえばね。
今皐月くんたちが通っている学校───健二さんが勤めていたのよ」
「え?」
「古典の先生でね。それだから、ゆりはあそこを選んだのかもしれないわね」
あれ?
待って。
何か、引っかかる。
学校、先生、誕生日、7月28日。
単語を並べて、そして思いつく。
7月、28日───そうだ、7月28日は学園祭、最終日。
ゆりの誕生日で、学園祭の日。
そして───学校の先生だった、ゆりの父親。



