「水瀬くん……」
今は、あんまり会いたくなかった。
皐月くんがどうして水瀬くんの名前を口にしたのかは、分からないけれど……
今、水瀬くんに会ったら、ますます皐月くんにあんなことを言われるんじゃないかって、不安になる。
「どうしたの?
顔色悪いけど」
そういって、私に手を差し伸べようとする───私はとっさに、笑顔で
「大丈夫だよ、ただ貧血なだけだから」
「でも、足元がふらついているし」
「大丈夫だよ、心配しないで」
そういって、心配そうに私のことを見る水瀬くんから逃げたくて、足を踏み出した、そのとき。
ふらっと、視界が揺れる。
体に力が、入らなくて───がくんと、足から崩れ落ちていく。
「───白井さん!?大丈夫、しら……さ、っ!?」
だんだんと遠のいていく、水瀬くんの声を聴きながら、
視界が、真っ暗になっていく───



