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頭が真っ白になるあの感覚をまた味わうなんて、思ってもいなかった。
皐月くんを見るたびに、あんなに熱くなっていったのがすうっと凍えたように、冷たくなって。
痛い。
痛い。
ぽっかり、穴が開いてしまったみたいに。ずっと、痛い。
もう、皐月くんは……私に話しかけて、くれないの?
一緒に、ご飯を食べたり、一緒に並んで歩いて帰ったり、できなくなる、の?
私は、皐月くんの隣で……いられなくなる?
そう考えただけで、心をえぐられたような痛みに、私はうずくまって耐えるしかなくて。
声を押し殺して、唇をかみしめて───そのまま、朝がやってきた。
長かった朝は、いつもと変わらない。
ご飯を作って、3人で食べた。……けれど、皐月くんはいつもと変わらない朝のように、いつもと同じで。



