「翔太だって、嫌でしょう?」
隣で牛乳をごくごく飲んでいた翔太に、尋ねると、
「えー?家族が増えるんでしょー?
ぼく、おにいちゃんほしい!」
「……」
そういえば、昨日からやたらとおにいちゃんがほしいって言うようになった。
なんでかと聞いても、いっこうに口を割らなかったけど。
「…………でも、私は……っ」
「ゆり、そろそろその苦手意識直さなくちゃダメでしょう。
いつまでても、避けられるわけじゃないのよ」
「……そうだけどっ」
ぎゅっと手を握りしめて、抗議しようにも母親の言うことは正論すぎて、
返す言葉もなかった。



