「な、ななななっ」
何しているの、皐月くんっ!
そう訴えようと、息を吸い込んだそのとき、
「ほら、ちゃんと前向いて。
こうやってすんの」
皐月くんは、私の頭を軽くチョップすると、前を向かせる。
「ここをくるっと回して、んで、この間に入れる」
皐月くんが、私に話しかけるたびに、吐息が耳にかかって全然、集中できない。
し、心臓が破裂するっ。
無理、無理、無理っ……恥ずかしすぎ……っ!
皐月くんに触れられるところが、熱くて、今にも溶けてしまいそうになる。
「はい、完成」
そういわれて、緊張のあまり見られなかったネクタイを見下ろすと、綺麗に形づくられたネクタイ見える。
「ほら、こっち向いて見せて?」
どうして、そうやって皐月くんは私が恥ずかしくなるようなことばかり、口にするの。



