私が、何度も訴えるので、皐月くんはおかしそうにくすくす笑いながら、
すっとまくり上げていた手と、私の腕を押さえつけていた手を離して、
「じゃ、ここで見てる」
数歩下がったかと思うと、椅子に腰かけてにっこりとほほ笑んだ。
あ、悪魔……。
でもこうなったら、皐月くんをどういったって私は言いくるめられるだろう。
これ以上、皐月くんのことを刺激しないほうがいいに違いない。
「……向こう向いてて」
「別に全部脱ぐわけじゃんだから、いいのに」
「……じっと見られると、着替えにくいの!」
「はいはい」
皐月くんはそういうと、体を反転させて台所側を向いた。
それを見届けた後、私は渡された制服を服の上から羽織って、
予想通り大きなカーディガンをそのまた上に羽織る。
ネクタイは……げ。



