耳元で、どんっと鋭い音が聞こえた。
痛い、痛い……あれ、……痛くない。
予想していた痛みは襲ってこない。なんで、と不思議に思って───うっすら、目を開いて、私は言葉を失った。
「いった……ったく、何してんの馬鹿」
目の前に、皐月くんがいた。
ほんの数センチ先に、皐月くんの顔があって───はっと、気づく。
頭を支えられるようにして、後ろに腕が回され、私の上に皐月くんが乗っかっているような、状況に。
「さっ、さ」
皐月くんっ!と大声を出しそうになって、私は思わず口をつぐんだ。
……熱い。
熱い、熱い。
ドキドキしすぎて、心臓がはち切れてしまいそうだ。



