けれど、水瀬くんは怖気づいた様子も見せないで、私を正面から見据えて、
「だって、口も態度も悪い、人のことを何にも考えてないようなやつでしょ」
「そんなことない!」
自分の声が、静まり返っていた教室に響き渡る。
あれ、どうして。
どうして、私皐月くんのことでこんなに熱くなってるんだろう。
別に、あんな意地悪でからかってばかりで───苦しそうな顔をして、告白は嘘だなんて言った、人をかばう必要なんてないでしょう。
なのに、口が言葉が声が止まらない。
何かに突き動かされたみたいに───勝手に、口が動く。
「皐月くんは、本当はとても優しくて、温かい人だよ……!
無口なのも、きつくあたるものただ、不器用なだけ。
誰かを頼るすべを知らなかったから!
だから、一人で抱え込むような───そんな人で。
本当は、誰よりも優しくて、誰よりも誰かのことを考えているんだから!」



