今も、隣に皐月くんがいるのに……何も、言えない。
しばらく、無言でいたけれど───何か見られているような視線を感じて、隣を見る。
「ねえ」
「はっはい」
思わず、高い声が出てしまう。
皐月くんはむすっとした顔で、つん、と私が羽織っているカーディガンを引っ張ると、
「これ……誰の」
と、聞いてきた。
「水瀬くんのだけど」
「……」
私がそういうと、皐月くんはすっと目を細めて、冷たい口調で、
「似合ってなさすぎ」
「……え?あ、ごめん」
いきなりどうしたんだろう、皐月くん。
思わず謝ってしまった。
メニュー