「翔太、お母さん起きて!」 ───バンッ! 勢いをつけてドアを開けると、すでに起きていたらしい弟の翔太が、 母の上に乗っかって、 「おかーさん!あさ!」 と、起こしている真っ最中だった。 お母さんといえば、あと十分、と言いながら布団にもぐり始めている。 「翔太悪いけどお母さん起こしてくれる?」 「うぃー!りょうかいサーイエッサー!」 と、どこで得たかもわからない敬礼を私にすると、 「おかーさん!おかーさん!」 またゆらゆらお母さんを揺らし始める。