そして、最後の一口を食べ終えて、ようやく手を離してやると、
ゆりは真っ赤になった顔を落ち着けるように、両手で挟んで、うーとうなっている。
しばらく、そんなゆりを見ていたら───さっきまでは、もう頭の中に消え去っていた、
あの時の、2人の姿が頭をよぎって、眉をひそめてしまう。
それに、気づいたゆりが、
「……皐月くん……?」
と、心配そうに俺を見上げながら、聞いてきた。
聞きたい。
はっきり、したい。
ここでどんな言葉がゆりの口から───聞くことになっても、曖昧なままは嫌。
「……お前って、好きな奴……いるの」
声が、震える。
でもきっと、それをゆりは知らない。



