真っ暗な部屋、カーテンの隙間から漏れる、月明かりだけをたよりに俺はベットに腰かけた。
ゆりはしばらく、それをじっと見た後床にお盆を置くと、おどおどと俺の前に座った。
「オムライス食べたい」
「……あ、うん」
ゆりはぎこちない手で、オムライスの端っこをスプーンですくうと、すっと俺の前に差し出した。
真正面から見た、ゆりはこんな真っ暗なのに、頬が赤く染まっているのが、一目でわかる。
そんな顔、しないで。止まんなくなりそう。
「遠すぎ、もっとこっちおいで?」
「っっ、ぁ、う……」
ゆりが恥ずかしそうに、口をもごもごさせて───ゆっくりと、こちらに近付いてくる。
立ち膝になったゆりは、ベットに座った俺の脚の間に入るか入らないかぐらいの距離で、じっと俺を見上げてくる。
優しい、あの石鹸の香りが鼻をくすぐる。
……やばい。頭がくらくらする。



