「……態度で?」
「そう」
嫌われたくないのに。
勝手に、手が動く。ドアを開けて、みるとかちゃりと、何かに引っかかる。
下を見ると、お盆に乗せられた、湯気がほわほわと立ち込めるおいしそうな匂いのオムライス。
そして、前を向くとゆりが泣きそうな顔でこちらを見上げている。
……だから、そんな顔しないで。
ゆりがそんな顔するたびに、期待する。
「そうしたら、皐月くんの怒りも収まる?
明日は、一緒にご飯食べてくれる……?」
「……ん」
「分かった。私は何をすればいい?」
ゆりは泣きそうな顔から一転して、すっと覚悟を決めたように整った眉を凛と釣り上げて、唇をかみしめた。
……だから、期待させないで。
ゆりが、手放したくないって思うから。



