「皐月くん、何か怒ってる?
……それは、私のせい……かな」
違う、ゆりは悪くない。
ただ俺が勝手に好きになって、勝手に嫉妬して、勝手に苦しいだけだから。
だから、全然ゆりは、悪くない。
そうやって言いたいのに、心のどこかでそれを邪魔する。怒りが募って、口に出せなくなってしまう。
「……ごめんね、皐月くん。
私が悪かったなら、謝るよ……ごめんね」
ゆりの透き通った声が、閑散とした俺の部屋に響く。
どうして、ゆりが謝るんだよ。
俺が悪いのに。
……なんで、ゆりは好きでもない俺に───そんなに、優しくする?
こんなに曖昧だから、不安になる。不安が掻き消えない。
ゆりの優しいところが、好き。だけれど、それが───今、俺を一番苛立たせてる。
「なら、態度で示してよ」



